守らなければならないこと
自分のメッセージをメーリングリストに送るということは、筆者 (著者) としての責任を負うということです。それだけではありません。リストに送ったメッセージは読者みんなが読みます。それがきっかけでなんらかの論争が始まることもあります。メーリングリストのサービスを適法に、またお互いに好意と敬意のこもったやりとりをしながら利用するために、次のようなきまりをまもるようにしましょう。
リスト宛てにメールを書く前に
メーリングリストに読者登録してもすぐにはメッセージを送らず、数日は観察期間とするというのは、たいへん良い考えです。これによって、次のような重要な情報を収集することができ、妙なことをしでかさなくてすむようになります——
- リストにメッセージを送れるのは誰か。
- どのくらいの頻度でメッセージを送れば、他の読者が困らないか。
- どんな話題を話しあっているか。
- 話題から外れるメッセージも許されるか。
- どんな文体を使っているか。シャレもありなのか、きわめて形式ばったリストなのか。
- 添付ファイルは認められている (あるいは許される) のか。どのくらいの大きさまでか。
リストによっては、読者登録したときにみんなに自己紹介しなければならないこともあります (最初に送るメッセージでしなければならないリストもあります)。ところがまったく逆に (大人数のリストに多いですが)、そういうことは不要だし、むしろ迷惑だ、というところもあるのです……。リストがどう使われているかをよく研究して、適切なふるまいをするようにしなければいけませんね。
プライバシー
リストで送ったメッセージはすべて、リストの投稿保管庫に残ります。ですから、メッセージを投稿するということは、それを配布し、さらに投稿保管庫にも転載することを承諾したというのと、まったく同じことです。ただし、あなたが自分で送ったメッセージは削除できます。リストの投稿保管庫で直接 (「削除の印をつける」ボタンで) できますが、できないときはリストのオーナーに頼めばやってもらえます。
リストにメッセージを送ると、あなたの電子メールアドレスが必ずメッセージのヘッダに出ますし、リストの投稿保管庫にも出ます。しかし、あなたが登録のときに提示した電子メールアドレスその他の情報は、わざわざ指定しない限り、商業目的か否かを問わずいかなる組織にも、あなたの承諾なく開示されることはありません。
多くの国や地域で、あなたの個人情報は法令によって保護されています (完全に、とは必ずしも言えませんが)。たとえば日本では、「個人情報保護法」(2003年) や「行政機関個人情報保護法」(2003年) が制定されています。合衆国では、「1974年プライバシー法」が適用されます。欧州連合では、「一般データ保護規則」(2016年) および各国の法律によって、あなたにはあなたに関する情報ファイルへのアクセス、変更、訂正、消去の権利が認められています。詳しいことは、リストのオーナーに問い合わせてください。
手紙と同じように、メッセージに署名を付けることもできます。仕事上のリストでは、名前とともに所属する組織の名前と部署や肩書を記すのが一般的です。しかし、自分の身許 (住所、電話など) をすべて明かしてよいものかどうかについては、よく考えてください。こういった情報が、今後は投稿保管庫でいつでも読めるようになるとしたら……。
他の人に関する情報を、本人からはっきりとした承諾を得ていないのに送ることは、絶対にしてはいけません。
マナー
リストでなにか質問をするときは、自分で調べみてわかったことをまとめ、質問の投稿に含めるようにしましょう。
リストから届いたメッセージに返信するときは、リストに返信したほうがいいのか個人宛てがいいのかを、よく考えて決めましょう。決める基準はこうです——ほかの読者にとって、あなたの返信する内容は興味を持てるようなものでしょうか。
メッセージの内容がわかるような表題を付けましょう。リストによっては、よくある話題の種類があらかじめ決めてあって、表題に「印」がつくようになっていることもあります (よくある話題の例: [総合]、[緊急]、[運営関係]、[pb info]、など)。
メーリングリストでは、ある種のメッセージは歓迎されないことがあります。次のようなものです——広告宣伝。同じような内容を繰り返し送ること。商業的な性格のメッセージ。ウィルス警告。テスト投稿。政治的あるいは宗教的なテーマを含むもの。事実無根の情報 (デマ) をひろめるもの。言い争い (フレーミング)。プライバシーを侵害するもの。中傷や誣告。脅迫。攻撃的なもの。民族差別的、人種差別的なもの。下品、卑猥なもの。差別を助長するもの。理由の如何にかかわらず、他者への憎悪や暴力を称揚するもの。道徳的な価値を毀損しようと目論むもの。その他、非合法な内容を含むもの。
リストでは、建設的でない批判のメッセージ (たとえば、誤字脱字を指摘するだけのものなど) やほかの参加者への個人攻撃をするメッセージも、やはり歓迎されません。どうしても誰かに不愉快なことや攻撃的なことを言わなければいけないというのなら、……個人宛てのメッセージで言うべきでしょう。多くのリストで、無駄なもの (内容が不愉快で不和の種を蒔くような話題) を送りつける荒らしは敬遠されます。
たいていのリストでは、参加者同士のやりとりにあるきまった言語だけを使うようにしています。その言語が自分の母語ではなかったとしても、そのとりきめを尊重するようにしましょう。また、文法の間違いや誤字にも気をつけましょう。ほかの人にわからないかもしれないような略語 (例: 「ML」) は避けましょう。そして、メッセージを送る前に必ず、書いたものを読み返しましょう。
メッセージを送るときに、添付ファイルを付けることもできます。ですが、次のようなきまりを守るようにしましょう——
- メッセージを送ろうとしているリストでは添付ファイルを認めているのかどうか確かめる。
- 認めているのだとしても、使いすぎない。添付ファイルをたくさん付けたり、大きな添付ファイルを付けたりすると、ほかの読者に迷惑をかけることがあります (たとえば、メールボックスが満杯になってしまうなど)。
リストの参加者と文書を共有したいときは、リストの「共有文書置き場」にアップロードするほうがいいでしょう。
メーリングリストのサービスを利用することも含め、電子メールを利用する際には、気持ちよくやりとりするためにいくつかの厳格なとりきめ——ネチケットを守らなければなりません。ウィキペディアの「ネチケット」の項目では、ネチケットの一般原則を知ることができますし、参考になるページへのリンクもあります。